アパレル辞めたい理由はノルマのキツさ?〜アパレル販売員のつぶやき〜

アパレル歴24年のブログの中の人が日々お店に立って感じていることを毎日綴っています。ゆるりと見ていただけたら嬉しいです。
今回は『アパレル販売員あるある』と言うべき悩みについて書きました。
仕事を辞めたいなと思っているサービス業の方にも共感していただける内容になっていると思います。
ブログ名『女子ログ』を付けた意味は、40代でも50代でも女性らしさを感じる素敵な『オトナ女子』を目指したいという想いを込めました。
アパレル販売員を辞めたい、ある日スタッフに言われる

「辞めたいんです・・・」
それはある日突然言われる。これほどショックなことはないし、何度経験しても悲しい。
けれどスタッフにとっては『突然』思いついたわけではなく、かなり悩んでいろいろ考えて出した結論だということも十分に理解ができるから、いつもこんな時は真剣に話を聞いてみる。
辞めたい理由はアパレル販売だとこれがもっとも多い。
『ノルマのプレッシャーがきつい』

アパレルってそのイメージある!

ノルマとは‥‥
アパレル販売の『ノルマ』とは何か
私たち販売員にとってのノルマとはズバリ『(個人)売上予算』のこと。
売上がなければお店は潰れてしまう。だから店に予算があるのは当たり前。
立地や規模で予算が決まり、それによって仕入れ額(店への商品投入額)が決まるので、予算は少なくても多すぎてもいけない。
そしてその予算は①年間予算→②月予算→③日割予算→④個人予算というように細分化されていく。

その末端が私たちに与えられる『個人予算』、そしてこれこそが『ノルマ』と言われるものになります。
ノルマを達成出来なければどうなるか
よく面接で聞かれることがコレ
「ノルマを達成出来なければどうなるんですか」
正直にいってアパレル販売員にはペナルティはない。
達成した人には達成報酬がある場合が多く、たとえ達成しなくても減給したり休みが減ったりというようなペナルティは法律にもふれるため絶対に無い仕組みになっているから。
私がよく言うのはノルマとは『目標』でありそれを達成するためには何をしなければいけないかを考える『指針』である、ということ。
なにも目的や目標がなければ、どこに行っていいかわからずただぼんやり時間を過ごすことになります。
そんなメンタルで働き続けるのは苦痛だとは思いませんか?人間誰しも何らかの目的をもって行動しているはずですから。
ノルマ=達成すべき目標、目標が明確だから頑張れる
たいていの販売員は『ノルマ』という言い方はせず『予算』や『達成目標』などの言い方をします。
店長の達成すべき目標は「店舗の予算達成」、対して販売員の達成すべき目標は「個人の予算達成」。
店の売り上げは個人の売り上げの積み重ねでしかなく、仮に1日一人当たり5万円売れる店舗だったら、頭数を掛け算して
5万×3人=15万の売り上げ
となります。わかりやすいですよね。目標もわかりやすければ結果もわかりやすい。それによっておこる弊害もあります。

予算未達成が続くと、メンタル的に落ちてしまう。これはアパレル店員ならみんなが経験しているといってもいい、アパレル界隈では最もポピュラーかつ深刻な悩みです。
売れないストレスを抱え悩みに悩みまくった経験を持つ私の実体験をお話していきます。
売れない=足を引っ張っている感覚のプレッシャー
私は正直売れない販売員の部類です。
私の勤めている会社にも「エース」というような石でも岩でも売れそうな超凄腕の販売員がいます。
会社の利益を左右するくらい、旗艦店で毎回予算達成、予算の8割をそのスタッフの売り上げがしめているような絶対的エース。

逆立ちしても何しても私はそのスタッフには勝てませんし、勝ったことはこれまで1度もありません。
そのエーススタッフと同じ売り場に立つと、自分のふがいなさに嫌気がさすことも多々あり‥‥

個性・キャラクターも違うから真似したからって私は勝てないのよね
入社時から努力を重ねて一定のレベルにはきたものの、限界点も自分の中で分かるようになりました。
そこからは私のミッションは
「オールマイティ―にできる人材になる」ことにシフトしたのです。
予算達成&ミッションの達成を目標にする
個人の予算は日々意識しながらも会社で役に立つ人材になる努力を継続しました。具体的にした行動は
- スタッフの特性をみてアドバイスをするスタッフ教育担当に
- 労務全般について学んで採用担当に
- SEOやECについて学びオンラインストア担当に
- 動画や画像の加工や制作・マーケティングを学びSNS担当に
- パソコンの基礎知識を学ぶ
- ポスターや販促物のデザイン・制作を学ぶ
ざっとこの20年間このようなことを自分で学んできました。もちろん、配属されてから必要になって学んだこともありますが、基本的には「社内にできる人がいない」分野を攻めていった感じです。
売り上げではエース社員に追いつけませんが、店を運営するうえで必ず必要な分野をオールマイティにできる人材になることで、会社が困ったときにいつでも力になれるような仕事ができる。

自分のミッションは今も継続しています。
アパレル販売員は一人ひとり個性があるようにミッションも違うと思います。
顧客様の顔と名前を覚えるのが得意な人には顧客担当でコミュニケーションをとる、こまごまとした作業が得意な人はストック(在庫)を誰が使ってもわかりやすいように整理する、SNSが好きでいつも見ている人はSNS担当になり自分で発信していく‥‥
『個』の特性を生かしたミッションは個人予算とは違った「目的」となって仕事のモチベーションとなっていくでしょう。
目的を見失った時が『辞めようかな』を意識する時

ミッションが見つからない、見つかったけど見失ってしまった…おそらくそんなときが「辞めようかな」を意識する時だと思います。
私もこれはもう何度も経験しています。それでも20年以上続けているのは、やっぱりこの仕事が好きで、ファッションにたずさわっていたいからなんでしょうね。
20年やっていてもアパレルの仕事に飽きない理由

私は他の仕事を経験していないので比較はできないのですが(異業種は学生時代のアルバイト経験しかない)
アパレルの良さは
- 毎日違うお客様との会話で同じ日々と感じることがない
- お客様との会話が楽しい
- 勉強すればそれをすぐ実践でき結果につなげられる
- ゴールや目標が明確
- 見られている緊張感でキレイをキープできる
- オシャレだねって言われる
- 脚力がつく 歩いていても疲れにくい
- 美意識が高くなる・言葉使いがきれいになる
ざっとあげてもこれくらい。秒でさらーっと出てきました(笑)まだまだあるかも?
立ち仕事は大変だと思われがちですが、私は座っていると血のめぐりが悪くなるため立っていた方が全然楽です。
脚力がついたと思うときが家族で旅行に行ったとき。無限に歩けます(笑)というのは言いすぎですが、本当に足が疲れにくくずっと長時間歩くことも苦ではありません。


ディズニーランドに行ったとき、歩き回っても私だけ疲れ知らずだった!
ざっとあげただけでもこれだけある『アパレル販売の魅力』から抜け出せずに今も継続しているんですね。
40代主婦が初心者でも挑戦しやすいNo.1の職業だと思う

他の仕事経験がないのに何を言うか!と怒られてしまいそう?
でもコレ、正直本当に私感じています。かなーーーーりおすすめの職業なんです。

体力?そんなにいりません。
能力?ほどほどに。
コミュ力?大丈夫、私も人見知りです(笑)
正直パソコンがさわれない方もいっぱいいますし、覚えることが苦手な方もたくさんいます。

人から見られる仕事だから化粧やファッションのレベルが上がるよ!
専門の技術やスキルがいらなくてそこそこ時給も高め、40代でこの条件はなかなか魅力的なのでは?
だからこそ私はぜひアラフォーアラフィフ世代におすすめしたいんです。
ただし!お店やブランドは自分の年代に合ったところを選んで。
選ぶ基準は「現役で働くスタッフの年代」

実店舗に見に行けない場合はそのショップやブランドのInstagramのアカウントをチェックするといいですよ。
今はたいていのアパレルショップはInstagramで情報発信をしているから、アカウントを見つけて投稿を見てみたらどんなスタッフがいるかがわかるかと思います。
辞めたいと思っているアパレル販売員に伝えたいこと

ノルマがキツイ‥‥売れない‥‥そんな理由で辞めたいと思っている販売員がいたとしたら、私は今書いてきたようなことを伝えます。
「あなた自身の目標はなんだったの?」
予算を達成することは責任者は100%目標とすべきだけれど、ショップで働くスタッフが皆責任者と同じ温度感ではないはず。
だから店長や売り場の責任者はスタッフの個人のミッション(目標)を明確にしてあげて、予算達成&ミッションの達成の両方をみて評価をしてあげるべき。

ショップスタッフの目標がすべて「予算達成」になってしまうと、お店独自の魅力が作れなくなってしまうと私は思います。
ミッションがあるからこそ個の力を出しお客様に魅力が伝わり、それがお店の個性や魅力につながる。
「自分の目標がなかった」と思っているスタッフにも深く話を聞いてみると、「人よりもこだわっていたこと」が見つかり、それが自分自身のミッションだったことに気づくことも多いんです。
知った気になっていないだろうか・やりたいことは本当に達成しているか

私もこのブログを初めて改めて思うのが「言語化の難しさ」
分かった気でいたはずの多くのことを、ブログに書こうとしてもなかなか先に進めない、文章にすることさえ難しいんです。
ファッションの知識について理解していたつもりでいただけで、実は本質が腹落ちしていなかったことが多かったのです。
まだまだ理解が乏しかったんだということがわかり、このブログで自分の力の無さに気づくことになりました。
記事を書きながら整理できたことは即ショップで接客に使い、思いのほか接客トークがうまくいき売り上げにつながる…なんてことも経験しました。
やっていないことがたくさんあって、もっと伸ばせるはずなのに……
今一度自分の仕事ぶりを振り返り、整理しながらやってきたことを書き出してみると、おそらく全然出てこない人もいるでしょう。
アパレルの仕事は実は奥が深いし、その人の努力次第で可能性は広げられる。
会社によってはキャリアアップが難しい環境もあるかもしれません。
自分の頑張りを評価してもらえない、もっとこんなことがやりたいという明確なミッションがある方は積極的に転職をおすすめします。
同じアパレル企業の中でもキャリアアップが望める会社はいくらでもありますから。